■ 抗加齢医学(アンチエイジング)とは?

近年、日本でもよく耳にするようになった抗加齢医学(アンチエイジング)は、抗(あらが(う)、英語のアンチ)という言葉から、一般的に、老化防止や若返りのように言われていますが、実は、寿命を伸ばすための医学でも、不老不死の薬を発明することでも、永遠の若さと美を手に入れるための美容整形でもありません。 本当は、年齢を重ねても質の高いライフスタイルを送りたいと願う患者さんに対し、気力も体力も充実した「心とカラダ」をキープしていくためには今から何をすればいいのか、適切な食事・運動・精神療法を指導し、場合によってはビタミンやホルモンを処方するというものなのです。

■ 老化はひとつの病気。だから治るし予防もできる

ヒポクラテスの時代より現代まで、「病気」と「加齢」との間には、はっきりと境界線が引かれてきました。「病気」は健康や正常な心身状態からはずれること。対して「加齢」は、太陽が沈むことを誰もとめられないようなもの、とされてきました。医師は、病気に対しては様々な方法を試み、研究を重ねてきましたが、「加齢」については仕方がないことと、ただ受け入れてきました。 しかし、「加齢、老化のプロセスそのものがひとつの病気である」という考え方をすれば、その原因を探ることでそれを克服する治療が可能になります。これが「抗加齢医学」の基本になっている理論です。 そして現在では、様々な研究結果から、加齢や老化の原因がわかってきました。その原因は大きくわけて4つあります。

  • ① 遺伝的な要因
  • ② ホルモン分泌の低下
  • ③ 細胞の酸化
  • ④ タンパク質・糖質の変性(糖化)

このうち①については、今のところリスクの度合いを認識して予防する程度の手だてしかないのですが、②③④については、十分な対応策があります。 抗加齢医学のポリシーは「加齢や老化という経過的現象に対し、徹底的に対抗して人体として最良の状態を保っていく」というものですが、これは同時に「病気のモトとなるものにも、早め早めの対抗をしていくことです。抗加齢医学が、21世紀の究極の予防医学であると言われるゆえんでもあります。