●糖化により肌の弾力性が低下し、ハリやつやを失い、黒ずんだ印象を招く
美しいハリのある肌を保ちたい人にとって、糖化はもっとも避けるべき生体反応です。
これまで肌の老化に関しては「抗酸化ケア」が大切であるといわれてきましたが、糖化についても同様のケアが必要なことがわかってきました。
糖化で肌が衰えるとは、どういう状態なのでしょうか?それは糖尿病にかかった人の肌の変化を見ればすぐにわかります。糖尿病が進行すればするほど、肌はハリを失い、たるみ、黒ずんだ印象へと変化していきます。医師であれば、その肌の状態を見るだけで、「糖尿病がかなり進行している」ということが判断できるほどです。
糖化は、肌のハリを保っているコラーゲン繊維の構造を破壊する生体反応です。糖化によって、肌は正常の弾力性を失い、ハリやつやのない状態に変色してしまいます。
また、糖化によって生じる老廃物が皮膚の細胞に溜まり、くすみや黒ずみの原因となることで、肌の透明感が失われてしまいます。 ●体の内から、外から行う抗糖化ケアで美肌づくり 糖化によって失うもの、それは肌のハリ、つや、輝くような透明感。これらを維持するためにデトックスをしたり、紫外線ケアや保湿ケアに精を出したりしても、内側から糖化によってコラーゲン組織が破壊されてしまうのであれば、焼け石に水です。 2.抗糖化ケアで美肌づくり前回、肌の若々しさは保つためには”抗糖化ケア”が必要だと言いました。では”抗糖化ケア”とはどのようなことなのでしょうか?これは何も難しいことではありません。血糖値を急激に上げない生活習慣のことです。現代の食生活の問題点は、血糖を急激に上げる食材や食べ方が多いことです。 では、急激に血糖値を上げない食生活とはどのようなものでしょうか。
糖化を避けるためには、何を食べるかもそうですが、食べる順番も大切です。血糖値が上がりやすい食品を後に回すのです。
とんかつ定食を例にしてみましょう。とんかつ定食が出てきたら、まずはキャベツを食べましょう。その際、ゆっくりと良く噛んでキャベツのもつほのかな甘みを楽しんでください。最近はキャベツのおかわりができるお店もありますので、可能ならおかわりして食べて下さい。その後はおもむろにメインのお肉を味わって、最後にご飯をおみそ汁とともにいただきます。これが急激に血糖値を上げないコツです。できれば懐石料理やフランス料理のコースのように、1品ずつゆっくりといただくのが理想ですが、ご飯とおかずを交互に食べなくては気が済まない人は、まずは野菜類やGI値の低いものから食べることを心がけてください。それだけでも長期的に考えれば随分違ってきます。 このように同じメニューを食べる場合でも、食べる順番を心がけるだけで、糖化を防いでアンチエイジングにつながることをお忘れなく。 ●糖化を避ける生活習慣とは
① 適正なカロリー摂取を心掛ける 食べすぎは血糖、中性脂肪、LDLコレステロールの血中濃度を高めてしまうため、糖化を促進してしまいます。 ② 栄養バランスを考えた食事を摂る 炭水化物の取りすぎや蛋白不足を避ける。 ③ よく噛む・ゆっくり食べる・食べる順番を考える (食物繊維)野菜・海草、(タンパク)肉・魚・卵、(炭水化物)ご飯・麺・パンの順に食べるとよい。これにより急激な血糖上昇による糖化の促進が避けられます。 ④ 異性化糖(果糖ブドウ糖液糖など)を含む菓子類・飲料を避ける 果糖はブドウ糖の約10~15倍糖化反応を起こしやすい。果糖というとフルーツが思い浮かびますが、果実には果糖、ブドウ糖、蔗糖(普通の砂糖と同じ)がバランス良く含まれています。またフルーツは線維・ペクチンを含み、血糖上昇が緩徐なので問題が少なく、デザートには菓子よりフルーツが推奨されます。果糖ブドウ糖液糖は芋やとうもろこしから工業生産される糖で値段が安いのですが、果糖を多く含んでおり、これらを含む飲料、菓子、調味料はできるだけ避けた方が良いでしょう。 ⑤ アルコールはほどほどに アルコールは血糖を直接的には上げませんが、代謝されてアルデヒドになるため、糖化反応は起こります。飲みすぎは避けましょう。 ⑥ 睡眠は6時間以上とるようにして、タバコはやめる 私たちの研究室でまとめたデータで、睡眠が6時間以内、アルコールの摂りすぎ、喫煙者は糖化リスクが高いことがわかっています。 以上が糖化を避けるための生活習慣のまとめです。美肌づくりのためにも、皆さんの現在の生活習慣と是非照らし合わせてみてください。
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