「糖化」を制すは「老化」を制す
おいしく、体のエネルギー源となる糖ですが、“過ぎたるは及ばざるがごとし”で、摂り過ぎは「糖化」を招き、逆にデメリットに。若々しくあるために糖化対策が必要です!
老化物質を作り出す「糖化」
人は誰しも老いるもの。けれど年齢相応に年を取る「正常老化」と、病気など他の理由があって老化が進む「病的老化」があります。老化を早める原因はいくつかあります(下図参照)が、最近注目されているのが「糖化」です。糖化とは、炭水化物や甘いものを必要以上に摂った時、余った糖が体内のたんぱく質と結びつくこと。これが繰り返し起こるとAGEs(糖化最終生成物)という老化物質が作られます。一度できたAGEsは分解されず、どんどん溜まる一方。年齢を重ねると新陳代謝が低下するため、糖の代謝が落ち、さらに溜まりやすくなります。またこの「糖化」は生活習慣で加速することがあります。人間の体の約15%はたんぱく質で、内臓、肌、骨、血管、爪などあらゆるパーツを作っています。糖化が起きる(余った糖がこれらのたんぱく質とくっつく)ことは、肌や内臓、骨、血管などの老化が早まるということ。肌のたるみや黄ぐすみ、骨粗しょう症、動脈硬化などの原因になります。
老化を早める5つの要因
上の5つは、老化を促進させる要因です。特に、体の中で起こる「糖化」「酸化」「炎症アレルギー」への対策は重要。また、現代社会では誰もが抱える「心身ストレス」「生活習慣の乱れ」は、体への直接的な影響だけでなく、「糖化」「酸化」「炎症アレルギー」を促進させるきっかけにもなると言われています。
糖化を起こしにくい食生活の提案
そこで、糖化から体を守る「抗糖化習慣」をご提案します。空腹時にいきなり糖や炭水化物を摂ると、血糖値が急激に上がります。この「急激」が糖化の大きな要因。ですからまず食物繊維、次にたんぱく質を食べて血糖値の上昇を穏やかにしておき、最後に主食の炭水化物の順で摂りましょう。時間がなければ、一緒に野菜を食べるだけでも効果があります。また、食後30分〜1時間後に軽い運動をすると、血糖値の急上昇を抑え、低下を早められます。食後の通勤や移動は階段を使って「運動」代わりにすると○。逆に、やむを得ず炭水化物だけの食事の後は、意識して動きましょう。
抗糖化食品でAGEsを溜めない
もっと積極的な抗糖化方法もあります。それは抗糖化作用のある食品を摂って、AGEsができないようにしたり、できてしまったAGEsを分解し、体の外への排出を促すこと。左に挙げたのは抗糖化食品の一例ですが、中でも健康茶は、アミノグアニジンと言われる抗糖化薬(日本では未承認)よりもおおむね抗糖化作用が高いことがわかっています。お茶なら、お食事時やティータイムに、と毎日の生活に無理なく取り入れることができますよね。食べる順番を工夫してこれ以上の糖化を抑えること、そして抗糖化食品で老化物質の生成を抑えたり、既に作られた老化物質の代謝を高めることが、若々しく健康でいる鍵なのです。
糖化を加速させる生活習慣
右に挙げた生活習慣は、体内のたんぱく質を変性させたりAGEsを蓄積させて、体の機能を低下させたり、体内に炎症を起こすことがあります。その結果、糖化を早めてしまうのです。思い当たることがあったら、今日から気をつけてはいかがでしょう。