– 骨と糖化 –

骨密度が優れていても、

骨を構成する成分は、
ヒドロキシアパタイト(リン酸カルシウム):約70%
コラーゲン:30%
そのコラーゲンにAGEsが蓄積します。

※AGEs=糖化最終生成物

骨の強度が低下。骨粗しょう症の危険も。

骨コラーゲンと善玉架橋・悪玉架橋
骨はカルシウムやリンを主とするミネラル成分とコラーゲンを主とする基質成分からできており、鉄筋コンクリート建造物に例えられます。
鉄筋に相当するのがコラーゲン分子で、コンクリートに相当するのはミネラ ル成分です。コラーゲン分子は隣り合うコラーゲン分子間に、橋渡し構造が形成 され、組織全体として強度を増していきますが、この橋渡し構造は「コラーゲン 架橋」と呼ばれています。コラーゲン架橋の機能は善玉架橋と悪玉架橋があり、酵素反応を介して遺伝的に 規定された部位に秩序をもって形成される「善玉の生理的架橋」と、酵素反応を 介さずに糖化や酸化などによって、コラーゲン分子間を無秩序に架橋する「悪玉 の非生理的架橋(AGEs架橋)」が存在します。
善玉の生理的架橋は骨強度を高めるのに対して、悪玉の非生理的架橋であるペン トシジンの増加は骨強度を低下させることがわかっています。
(119 CLINICIAN ’06 NO.554)

骨粗鬆(しょう)症とは
人の骨は生涯を通して、古くなった骨を壊して吸収(骨吸収)して、その場所に 新しい骨を作る(骨形成)ことで、血清中のカルシウムの値を調節すると共に骨 の強度も保っています。これを骨代謝と呼びます。また、骨吸収は破骨細胞が、 骨形成は骨芽細胞がそれぞれ担っており、健常人の骨代謝ではこの骨吸収と骨形 成のバランスがとれています。しかし、女性が閉経になり、女性ホルモンが減少すると骨吸収が亢進するために この骨吸収と骨形成のバランスが崩れ、骨吸収が骨形成を上回るために骨密度が 減少します。この状態が長期間持続すると骨粗鬆症になります。

同志社大学アンチエイジングリサーチセンター

《研究テーマ》
■身体における老化度の診断と評価方法の確立
■加齢に伴う筋肉量の退行性変化
■ヒトにおける老化促進因子の研究(酸化ストレス・糖化ストレス・心身ストレス・生活習慣など)
■ヒトおよび実験動物の酸化ストレスや糖化ストレスに関する基礎的研究
■地域医療および労働衛生におけるエイジングケアのエビデンスの構築
■糖化ストレスマーカー測定方法の研究
■糖化ストレス制御物質の研究
■糖化ストレス生成物の分解・排泄経路の研究
【研究室の詳細はHPでご確認ください】
http://www.yonei-labo.com