素材・成分辞典

NMN –ニコチンアミド・モノヌクレオチド-

NMNは正式名称をβニコチンアミド・モノヌクレオチドといい、あらゆる生物の細胞内で生成される物質です。近年の研究でNMNを補うことで長寿遺伝子と呼ばれる「サーチュイン遺伝子」が活性化することが判明しており、健康長寿への効果が期待されています。
NMNはビタミンB3の介在によって、体内で「NAD+(ニコチンアミド・アデニンジヌクレオチド)」という補酵素に変換されます。NAD+は細胞内に取り込まれた糖分や脂肪分を、酸素を使ってエネルギーに変換させます。しかし、NADは加齢とともに減少します。体内のNADが減ってしまうと、食べたものからエネルギーを作りづらい状態になるのです。さらに、NADの減少がさまざまな疾患の引き金になることが示唆されています。

トウゲシバ(ヒカゲノカズラ科)

■目的…脳機能向上

【英名】 Chinese club moss
【中国名】 千層塔(センソウトウ)
【和名】 トウゲシバ
【学名】 Huperzia serrata
【分類】 ヒカゲノカズラ科に属するシダ植物
【その他】
背の高い多肉植物の外観に似ていることからQian Ceng Ta(千層塔)と呼ばれ、「金より貴重」を意味するJin Bu Huan(金不)として、中国では民間薬としても知られている。食薬区分は、センソウトウの名前で登録されている。

【トウゲシバの特徴❶】

  • 冬でも枯れない常緑の多年草であり、1年中見つけることも可能
  • 茎は根元から枝分かれして斜めに立ち上がるように成長する
  • 成長すると10〜20 cm の高さになる
  • 低地~山地のやや湿った森林の地表面に生育する

【トウゲシバの特徴❷】

  • トウゲシバの葉は変異が大きく、幅は1〜5mm
  • 先は鋭く、縁は不整な鋸歯のような形をしている
  • 胞子嚢(腎臓のような形) を持ち、胞子で繁殖する

【トウゲシバの特徴❸】

  • 栄養繁殖も行い、茎の上部に生じる無性芽が外れて地面に落ちると、新しい植物になる

【トウゲシバの分布】

  • 海抜300〜2700mに分布している
  • 日本では、ほぼ全土に分布している
  • 朝鮮、中国、東アジア、東南アジアにも分布していると考えられている

近年の研究により、トウゲシバ(ヒカゲノカズラ科に属するシダ植物)にヒューペルジンAが多く含まれていることが分かっている。

Huperzine A -ヒューペルジンA-

■目的…脳機能向上

  • HuperzineA(ヒューペルジンA)は、テルペンアルカロイド類の一つで、アセチルコリン分解酵素(AChE;アセチルコリンエステラーゼ)阻害物質である。
  • これまでの研究によって、アルツハイマー病、認知症、学習能力、記憶力などの「脳の健康」に対して優れた効果のあることが報告されている。

【ヒューペルジンAの脳機能改善メカニズム】

【アセチルコリンエステラーゼ阻害作用】

シナプス神経末端において、アセチルコリン(ACh)はコリンおよびアセチルCoAからコリンアセチルトランスフェラーゼによって合成される。その後、AChはアセチルコリンエステラーゼ(AChE)によってコリンと酢酸に分解される。そこで、ヒューペルジンAはACh分解酵素であるAChEを競合阻害することによりAChの分解を減らし(必要以上に亢進している分解を抑制し)、AChの神経伝達効率をあげ、脳の活性化や認知・記憶障害を改善させる。AChは脳内に存在し、睡眠覚醒状態、学習および記憶を調節する。

風化貝カルシウム(八雲貝カルシウム)

北海道八雲町で産出する天然風化貝化石から採れるカルシウムのことで、八雲地方には今から1500~2000万年前に生息していた「カミオニシキ貝」の堆積層が地表に露出しています。この地層から採掘される風化貝化石は、95~97%という高純度の炭酸カルシウムであることが判っています。炭酸カルシウムは最も吸収効率の良いカルシウムのため、風化貝カルシウムはまさにカルシウムの補給に適した人間が造り出すことのできない自然の恵みといえます。

【カルシウムの働き】

カルシウムは体内で合成できないので、食べ物から摂取する必要があります。体内にあるカルシウムの99%は骨や歯の形成に使われています。骨はカルシウム貯蓄所としての役割も果たしていて、残りの1%は血液中や細胞に存在しています。
  • 骨や歯などの硬組織を作る
  • 血液をアルカリ性にし、凝固作用に関与
  • 神経の情報伝達に不可欠
  • 心筋の収縮作用に関与
  • 筋肉の興奮を抑制
  • 神経の感受性を抑制
  • 酵素の働きを助ける
  • ホルモン分泌の調整
カルシウムは細胞が正常に活動するためのとても大事な役目を担っていて、血液中でカルシウムの濃度が一定に保たれることで、身体の様々な機能が正常に働きます。そのため血液中のカルシウムが不足してくると骨に貯蔵されているカルシウムが血液中に溶けだし、血液中のカルシウム濃度を一定に保とうとします。骨の貯蔵量が少なくなると骨はスカスカになり、骨粗しょう症になってしまいます。カルシウムは一生を通じて十分な補給が大切なミネラルですが、マグネシウム、ビタミンD、ビタミンKを同時に摂取したり、適度な運動をすることで、カルシウムの機能を高めます。

カルシウムパラドックスとは

体の骨以外に存在する1%のカルシウムは、細胞で命を支える大切な働きをしています。だから、カルシウムが不足すると、細胞の働きを維持するために自分の骨を溶かしますが、これが過剰に体内に出てくる場合があります。カルシウム不足を補うはずのこの作用が、かえって人体に悪影響を与えてしまう場合があるのです。この現象を「カルシウムパラドックス」と言います。

カルシウムパラドックスは、以下のような流れで起こります。

カルシウムが不足すると骨からカルシウムが溶け出し体の中に過剰にCaが増える現象

細胞に沈着したカルシウムは、老化・生活習慣病の原因に

細胞に沈着したカルシウムは、細胞の働きを低下させ、生活習慣病などの原因になります。 例えば…

血管に沈着したカルシウムは、動脈硬化を引き起こし、血管障害の根本原因に

カルシウムが血管に沈着すると、血管が収縮・硬化して動脈硬化を引き起こし、血管障害の原因になります。 例えば…

骨に沈着したカルシウムは、神経圧迫による障害の根本原因に

カルシウムが背骨に沈着すると、 骨の変形・ずれを引き起こし、 背骨を通る脊髄神経を圧迫して、 神経圧迫障害の原因となります。

悪玉カルシウムと善玉カルシウム

骨から溶け出し、色々な部位に沈着を起こすカルシウムを“悪玉カルシウム”と呼ぶとすれば、野菜・小魚・海藻等に含まれるカルシウムは沈着をせず、細胞で働き、骨を元気にしてくれます。食べ物から摂るカルシウムは「善玉カルシウム」と言えます。同じカルシウムでも、「悪玉カルシウム」と「善玉カルシウム」があるのです。

悪玉カルシウムとは?

骨・血管・細胞に沈着するカルシウム

なぜ骨から溶け出したカルシウムは、悪玉カルシウムと呼ばれるのでしょうか。それは骨から溶け出したカルシウムはイオン化が強く、その作用が過敏で、いろいろなストレス部位に沈着し易いためです。 イオン化 (活性)カルシウムは、吸収が良いためカルシウム製剤として市販されているものがあります。一般的に、カルシウムの吸収率は20~30%と低いため、その吸収を高めるために考えられたのが「イオン化カルシウム・活性カルシウム」です。これは人工的にイオン化して吸収を良くしたもので、確かに吸収率は良くなりますが、イオン化が強いために目的地の骨にたどり着く前に、血管や細胞に入り込みやすく、いろいろな病気の原因となるといわれています。

善玉カルシウムとは?

血管・細胞に沈着せず、骨を元気にするカルシウム。

非活性カルシウムは活性カルシウムと比較してイオン化が弱いカルシウムで、沈着を起こすことなく細胞で働き骨を元気にしてくれます。本来であれば、小魚や野菜・海藻などカルシウム分を多く含む自然の食品を摂ればよいわけですが、必要量を取るのに限界があります。八雲貝カルシウムは、漢方薬の原料にも使われることもあり、医師による長年に渡る臨床観察によって、骨を元気にし、必要のないところに沈着を起こさない自然の食品同様の“善玉カルシウム”の一種といわれています。

カルシウムの多い食品

基準は厚生省が発表している成人のカルシウム摂取量である600mg/日を目安に 考えてみましょう。たとえば牛乳なら 1日4~5本(1.8L)、真いわしなら16尾、小松菜なら6束、豆腐なら6丁、納豆なら46個、チーズなら15個といったところです。実は、毎日の食事から十分なカルシウム量を摂ることは以外に大変なのです。
主な食品のカルシウム含有量(CLINICAL CALCIUM 4(5)1994)

ムクナエキス

【属】 トビカズラ属(Mucuna)
【種】 ビロードマメ(Mucuna pruriens)
【変種】 ハッショウマメ(八升豆)
【学名】 Mucuna pruriens var. utilis
【その他】
ムクナ(Mucuna pruriens)とは、原産地はインド、熱帯~亜熱帯に分布するマメ科ツル性の一年草です。種子には、体を構成するタンパク質の源となる必須アミノ酸を豊富に含有しています。その他、神経伝達物質であるドーパミンの材料であるL-ドーパを豊富に含むことが知られており、特に種子の部分に多く含まれています。ムクナ豆は数千年の歴史を持つインドの医学書「アーユルヴェーダ」にも記され「やる気と愛情のハーブ」などとして古代から利用されてきました。
L-ドーパは、生体内でドーパミン(dopamine)へ変換される神経伝達物質である。自然界で産生され、食物や薬草などに含まれる。動物や人間は、L-チロシンから体内や脳内で合成される。ドーパミンは中枢神経系に存在する神経伝達物質で、アドレナリン、ノルアドレナリンの前駆体でもある。運動調節、ホルモン調節、快の感情、意欲、学習などに関わる。